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ブローニュの森の貴婦人たちのsonozyのレビュー・感想・評価

3.0
上流階級の貴婦人エレーヌは付き合って2年になるジャンにもう愛情がないのではと友人男性から指摘され、気持ちを確かめようと別れ話を持ちかけてみる。
すると、ジャンは僕も前からそう感じていた、すっきり別れて友人としてやっていこうとあっさり。
復讐心を宿したエレーヌは、若いダンサーで男を相手に稼いでいる女アニエスをブローニュの森で散歩中ばったり風にジャンに会わせ、ジャンをアニエスに惚れさせ、彼女の過去を隠したまま結婚させようとするというお話。

アニエスの母はエレーヌの知人で、3年前に破産し、アニエスの稼ぎで食べているようだが、アニエスもそんな生活に嫌気していた。
そこでエレーヌは二人を引っ越させ、アニエスの仕事も辞めさせ、新居に籠もらせて、借金も生活費も面倒を見ちゃうんです。(この感覚が分からない。笑;)
で、その気になったジャンと、何やらコントロールされているようで不安なアニエスの間に入り、焦らしたりしつつ、結婚にもっていき、結婚パーティで、ジャンにアニエスの過去をバラして、復讐達成ニヤリ・・・
というエレーヌの動きが、高度なようなそうでもないような、不思議なストーリーでした。
ラストもちょっと意外な展開で可笑しみも。

そもそも、アニエスが身体で稼いでいるというようには見えず、上流階級の客の店で軽やかにタップを踊り、マネージャー役の母と共に自宅にその客を数人連れて帰ってダンスしたりというキャラなので、元アバズレ娼婦とジャンを結婚させてやる的に見えないんですね。その頃合いがいいのかもしれませんが。笑;

それでも、エレーヌ役のマリア・カザレス(ジャケ写)の冷淡な目ヂカラ・表情、情念美とも言える演技が素晴らしい。
ジャン・コクトーが台詞監修というのを見た後で知りました。台詞見直した方がいいのか。。
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