なすび

旅情のなすびのレビュー・感想・評価

旅情(1955年製作の映画)
5.0
このジャケ写で1955年の恋愛映画で評価もそこそこだし「なんか型にはまったありがちな古い恋愛映画なんやろうな〜」と思ったそこのあなた!(と私)少し立ち止まって、監督脚本をよく見てください!!!なんと!「アラビアのロレンス」「ドクトルジバゴ」「遠すぎた橋」など超大作を圧倒的なスケールで作り上げるあのデヴィッド・リーンですよ!!!!!

デヴィッド・リーンはやはり裏切らない

この映画は普段のありがちな恋愛映画に飽きてしまったよ〜ていう恋愛映画マニア(そんなんおるんか、私だけか)におススメです…!見てない人は今すぐ見てや!!!

評価がそこそこの理由はこの年代でこのジャケ写なのにほろ苦胃がキリキリすぎる大人のリアルな恋愛だからなのではないかと思います…!実際想像をことごとく裏切ってくる、ラストはもう鳥肌が立ちました。デヴィッドリーンは結ばれない愛、悲劇を描くんですね…

そう!なんでこんなハリウッドぽい感じなのにこんな変化球なの!?って思ったら今更だけどデヴィッドリーンってイギリスの人なのか😳これも主人公がアメリカ人だけどイギリスとアメリカの合作。こちらはヴェネツィアが舞台で、私はこれの2年前に作られたいかにもハリウッドメイクな「ローマの休日」と比べて考えるとなかなか面白いなぁって思ってた!

さて、この映画の魅力を紹介します☺️
まず主人公が38歳独身女!まじか!最初は独身を楽しんでる元気溌剌な綺麗な人だなぁって見てたら、そうでもなくて、やっぱり独り身が寂しいみたいであちこちでカップル見てため息ついたり涙ぐんだり…なんかほんと気持ちわかりすぎてツライ…旅行先でワンチャン狙って来たはいいけど旅行先ってカップルだらけなのよね…笑 そういうの見せつけられて心にダメージ受けるのめちゃくちゃ共感。またヴェネツィアみたいにとてもとても美しい場所だからこそ、この景色を共有する相手がいない自分の虚しさみたいなのが際立つ。それにしても主人公思ったより傷ついてます笑 たぶん過去の恋愛のトラウマか何かで恋に臆病になっていて男性に対してもつっけんどんな態度。恋愛したい!ワンチャン狙う!とか言って来た割にビビってるの分かるわぁ〜共感しまくり!!!

でも主人公はイタリア人のもちゃもちゃもちゃもちゃイケメン(顔がタイプすぎる)(ブラッドリークーパーみたいな甘〜い顔でももっと品格がある感じ)に見染められて、惹かれ合います!なかなかに主人公が不器用だけど、男の方の熱心なアプローチでなんとか漕ぎ着ける!やっと幸せになれた!最高のおめかししてデート行きま〜す♡ってとこで衝撃の事実発覚…!

はぁ…最近友だちとも話したんだけど、大学入りたての頃の恋愛とかさ「あの人のこと好き!仲良くなる!付き合う!」みたいな真っ直ぐ突き進んでれば良かったのに、なんか今は色々ノイズが多いなあって。お互い好意は持ちつつ障壁があったりしていまいちテンション上がんないね…ってなんか大人になるってこういうことなのかなって…
主人公もそういう状況になります…でも男の方がとても大人の考え方でいなされ、主人公は成長する。この男の人みたいに考えることが出来たらいいなぁ、私もまだ主人公みたいにウジウジ悩んでしまう…極度の臆病人間です…
そんなこんなでラストは大人の恋愛とはこういうものなのかと苦しく哀しくなりつつ少しかっこよく見えたり。人生気持ちだけではどうにもならないことがありますよね…現実ってビターだね……

さて!第二の魅力はもちろん圧巻のヴェネツィアの風景!ひや〜〜今までヴェネツィア映画といえば「ベニスに死す」「エヴァの匂い」が印象的だったけど、この映画のヴェネツィアはまた違ってとても良かった。なんかたまに暗部を写してくるのが面白い!窓から川にゴミ落としてるおばさんとか!そういうのもひっくるめてのヴェネツィアを堪能できた☺️てかデヴィッドリーンけっこう左右対称の画好きだな

マウロくんもリアルな感じでかわいさとウザさがあっていいしラストも抜かりない♡

はぁ…なんかすごい映画だった…デヴィッドリーンだいすきです!!!またアラビアのロレンスとドクトルジバゴ見たくなった