わが谷はモノクロなりき。
スケジュールの遅延により売れっ子ウィリアムワイラー監督からジョンフォード監督へバトンタッチされたこの映画。ナチスの空爆のせいでウェールズロケも中断し、残りはアメリカにてセット撮影。最初カラーで撮ってたけれど、ウェールズとアメリカでは花の色が違うから急遽モノクロに変えたらしい。戦争がなければ、谷の緑は緑なりき。観たかったなぁ。あの谷の緑を…
そのハードな恋は一生引きずるぞアンハード。恋敵が神だからアンよりもだいぶハードモード。
肝っ玉母さん。あの笑顔、最高です。
THE昭和のガンコ親父は不器用で、そして歌がうまい。
誰が誰だか結局最後まで覚えきれなかった5人の兄たち。一人、また一人と巣立ってゆくその背中に、幸せを願わずにはいられない。
そして末っ子のヒュー。男として、人間として雄々しく育つその姿が、まるで我が事のように嬉しい。
炭坑で暮らす人々は、皆よく働き、よく飲み、そしてよく歌う。うまく説明できないけれど、観ているだけでグッときてしまう。
ああ、古き良きウェールズ。
あの炭坑夫の列に加わりたい。ススで真っ黒になった顔して胸はって、歌声谷に響かせて、皆といっしょに家路につきたい。その谷は喜びも悲しみも皆で分かち合う。素朴な暮らし。人間ってそれだけでいいんじゃないかな。心が洗われるようだ。
冬がやってきて宝島。
春を告げる窓際の鳥たち。
まるで雪溶け水の小川のような大合唱。
何?ヒューがケンカで負けた?
ダイを呼べ!
🥊ダイ、ネバーダイ🥊
時代のうねりに翻弄された炭坑の町。そこで生きた人々の暮らし。家族との思い出。
家族が一緒に過ごしたあの時間はもう二度とは戻ってはこない。誰もが持っている原風景、色褪せないセピア色の記憶。ヒューの心の中には、笑い合う家族の声が今でも聞こえているのだろうか。
かつてひとつの家族がそこにあった。
その谷は緑に包まれていた。
たったそれだけのことなのに、なぜだか無性に胸を打つ。ラスト、なんだこれ。涙で前が見えない。
。・(つд`。)・。