Yukiko

わが谷は緑なりきのYukikoのレビュー・感想・評価

わが谷は緑なりき(1941年製作の映画)
4.2
2019年12月1日
『わが谷は緑なりき』 1941年制作
監督、ジョン・フォード。

19世紀末、イギリスのウェールズにある炭坑町、
ロンダの谷。
そこに住むモーガン一家。
父ギルム(ドナルド・クリスプ)、母べス、姉と
5人の兄と末っ子のヒュー(ロディ・マクドウォール)。
男衆は皆、炭鉱で働き、その賃金は帰宅時出迎える
母のエプロンに入れる決まりがあった。
体の汚れを落として後、父から一人ずつお小遣いを
もらう。
夕食は皆がテーブルについてお祈りしてからと
いう日課があった。
平穏な日々の中、長男のイヴォールが結婚、姉の
アンハード(モーリン・オハラ)は、グリュフィード
牧師(ウォルター・ピジョン)に惹かれていた。
ある日、会社が賃金を引き下げたことから、兄弟は
組合を作ろうとし、父と意見が対立。
兄弟5人は家を出ていく。
その組合の話し合いの日、母とヒューも出かけ、
帰りの雪道で足を滑らせ事故に遭う。
後遺症で母もヒューも寝たきりの生活を余儀なくされる。
数か月がたち、歩けるようになったヒューは、モーガン
家で初めて、学校に通うようになる。


第14回アカデミー賞最優秀作品賞受賞

白黒映画です。でも、不思議と気になりません。

18世紀からのイギリスの産業革命の時代、機械化の
その動力源となる石炭が重宝された。
19世紀のイギリスの炭鉱では、地下300メートルの深さ
まで掘ることが可能になり、毎年さまざまなタイプの
石炭を何百万トンも産出するようになった。


イギリスでは、19世紀初頭、炭鉱の子供や女性は運び屋
として雇われ、3歳から4歳の児童は女性が運ぶ積み下ろし
の手伝いをしたとwikiに記載がある。
また、10歳から14歳の子供はワゴンを引く馬を誘導する
作業があてがわれた。
1842年になると、10歳以下の鉱山での雇用は禁止された。
1870年には、5歳から13歳までのすべての子供が学校に
通うことが義務づけられ、多くの炭鉱で従事していた
子供は炭鉱を辞めてしまったが、1920年代では炭鉱は
学校を去った(卒業した)者の一般的な就業場所で
あった。(以上、wikiより抜粋)

上記のことが映画の中でストーリー展開している。

古き良きイギリスの炭鉱町、まだ皆が善意の気持ちを
もって暮らしていた時代、その頃を懐かしむヒュー。

夫婦と7人兄弟のモーガン家、ヒューが子供の頃は
田舎の風景は緑の多い谷間で美しかった。
そこに住む家族は、毎週教会に行き、日々の生活は
父が決めた日課に皆が従い、家族仲良く平和だったと
懐かしむ。
が、時代が進むにつれて、炭鉱の会社の横暴、それに
反発する労働者、何もしない父を煙たがる炭鉱夫と、
次第に皆の心が変わっていく。
緑多いロンダの谷は、石炭の発掘と共に黒々とした
ボタ山に変わり果てていく。
変わらないヒューの人に対しての誠実な態度を立派
だという父、姉、牧師達。

ヒュー役のロディ・マクドウォールさんがとても愛らしい。
父役のドナルド・クリスプさんはアカデミー賞助演男優賞
を受賞しています。名演技!!
姉役のモーリン・オハラさん21歳の頃の作品、美しい!

アカデミー賞監督賞も受賞している映画です。
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