はなゲ

シルミド/SILMIDOのはなゲのネタバレレビュー・内容・結末

シルミド/SILMIDO(2003年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

先にシルミド事件について調べてからの鑑賞

やばい


先ず、映画よりも事実こそが本当に地獄だった件。2キロ先の沖まで泳いで往復する訓練の際、溺れた隊員を救助せず溺死させたり、遅れたものは殺すべく後ろから銃を撃ちながら走らせるなど、毎日が命懸けだったそう。耐えかねて脱走する隊員は別の隊員らに捕らえられ、殴り殺されることもあったらしい

映画だと死刑囚の設定なのでまだ納得もいくものの、実際は、任務内容を伏せた一般募集で集まった普通の素人だったというのから可哀想で目も当てられない。高待遇の募集内容につられて、貧しい家族を養う為に参加したような善良な若者も居たそう。そんな31人のうち7人が地獄の訓練で死亡している。そして、結局作戦は中止になったにもかかわらず、そこからも謎に訓練だけの日々が2年も続き、食事も次第に貧相になり、月給も支払われないようになっていったらしい

そんな経緯で、隊員達は教官を12人を射殺し脱走にいたった←あたりまえ。そしてバスを乗っ取り、ソウルに向かう途中で警察と軍に包囲され、手榴弾で集団自決した。内4名が生存

この事を、「北朝鮮からの武装ゲリラ」と軍が公式発表し、生き残った4人は裁判にかけられた。「黙秘すればベトナムに亡命させる」という軍からの取引を受け入れ、裁判で黙秘を貫いた4人は全員死刑。映画よりも残酷な現実。本当に死刑が執行されている



物語の中でとても印象的だったのが、母親の写真をチョ2曹に破られたシーンからの、隊員全員の暗殺命令を聞くまでの流れ。いつも隊員に厳しくしてきたチョが暗殺を猛反対したのに対し、一見優しかったパクはあっさり自分の身の安全を優先した部分。ここについては小一時間語りたいぐらい
はなゲ

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