【金持ちの偽善者どもめ】
リオデジャネイロの特殊部隊BOPEと麻薬密売組織の攻防を描いたブラジル産の社会派アクション。
これもまた『シティ・オブ・ゴッド』同様、なかなか重量感のあるブラジリアンムービーであった。
普通に街に出回る数々のドラッグ。街の内側から腐っていく現状に警察すら太刀打ちできない。むしろ警察自体も腐りきっているのだ。そこで圧倒的な力を見せるのが特殊部隊BOPE。過酷な試験と訓練を受けた先鋭たちのチームワークと根性と暴力はかなりのもの。まだ10代であろう少年に対しても容赦なく殴り、ビニール袋で顔を覆い、また殴り、血が溜まっていく描写が印象的であった。
貧困ゆえの生きていく為の犯罪。『シティ・オブ・ゴッド』同様、荒れ果てたリオデジャネイロの街をただただカメラで映し、その現実を目の当たりにした我々は開いた口が塞がらない。
特に新米隊員にスポットライトを当てていたのが良かった。観ている我々同様、目の前の現実に打ち当たりながらも〝正義〟を貫きたいという意志、その中で成長を遂げ、変化していく様を描いている。他にもそれぞれのキャラクターを上手く配分していて、115分でこの濃さは凄まじい。
続編も観てみたい。
