エリート・スクワッドのネタバレレビュー・内容・結末

「エリート・スクワッド」に投稿されたネタバレ・内容・結末

「20世紀の社会心理学の教訓は、行動は個人の特徴ではなく状況が作るということだ」(社会心理学者スタンリー・ミルグラム)。なぜこれをエピグラムとして挙げるのか分からなかったが、結末を見て納得。ブラジルのエリート特殊警察部隊ボッペ(BOPE)隊長の後継者選びと、マチアスという新米警察官が職責に目覚めるまでを交錯させて描く。ドキュメンタリー風の揺れる手持ちカメラで撮られている。警察を敵視するインテリ、理念なきゲリラ組織と手を結び麻薬を享受するNGO、犯罪の犠牲となるスラム街の貧困層など、描写が多層的。
 ブラジルの麻薬組織と警察の特殊部隊の戦いの話。

 前半は新人の警察官が正義に燃えて行動するけど、警察内部の腐敗っぷりが酷くてゲンナリしていく様子。自分たちの区域で死体が出ればそれを別の地区に移動して犯罪率を下げようとしちゃったり、賄賂は当たり前でブラジルの警察はまだまだ発展途上なんだとまざまざと見せつけてくれます。
 その警察でも汚職がない特殊部隊に入隊するまでが中盤で、そこから特殊部隊の厳しい訓練の様子。これまた凄くて講義のときに眠りそうになると手榴弾を持たされて寝たら爆発とか残飯を食べさせられたり、脱落者続出の訓練。
 
 そしてこの特殊部隊もなかなかの武闘派で女子どもを拷問するのは当たり前で警告なしに射殺したり仲間を殺されたら当然報復する。
 怖いもの知らずの麻薬組織も殺しちゃった相手が特殊部隊だと知ると焦ったりしちゃうくらい。

 特殊部隊の隊長さんが家庭内が崩壊寸前だしストレスで身体も動かなくなっちゃって大変だからと自分の後継者を育てて見込みのある人間を探していくまでが描かれていきます。
 画面は激しく揺れてカット割りも激しいのが100分間続くし、みんな怒鳴ってるしで見ててグッタリですが。アクション映画として興奮する映画で面白かったです。
舞台はブラジルだが、どこも政治家はこんなもんかと思わされる内容で、同じ人間かと思うと腹わた煮え返る様な輩しかいなく、警察とはなんなのか、正義とはと考えさせられた作品。
あっという間に全て観れました。
リアルに近いのでしょうね、きっとどこもこんな形で日常茶飯事なのかと思うとやるせない気持ちになります。
ブラジルの過酷な実情を描いた傑作。
語り口が滑らか過ぎて、スラムや警察の腐敗といった事実がスッと頭に入ってきたし、これはどうしようもねぇなってのが良く分かる。

前半で描かれる悪徳警官のクズっぷりは半端じゃなく、
自分の成績を守るために、自分の管轄で出た死体を他の管轄区域に遺棄するのとか、平気でまかり通っててもはや笑える。

特殊部隊で働く主人公が家庭環境の変化や仕事へのストレスで、後継者を探すために、地獄のようなキャンプを行う後半からは手に汗握りっぱなし。
特に、金持ち連中の描写には腹が立った。
ラストは納得というか、これ以上ない落とし方でした。
主役のモノローグで進行し、ドキュメンタリーのように撮影されている映画。スタイルとして自分の好みではないのだけど、そんな自分などどうでもよくなるぐらい引き込まれてしまった。爛れ狂った世界に接してギラギラになってゆく「後継者」に自分を重ねた。危ない。
緊張感溢れるクライムサスペンス。ガンガン発砲して簡単に射殺するし当たり前のように拷問するしと警察なのにやることがえげつないんだけど、逆にそこにリアリティを感じる。
銃撃シーンもクオリティが非常に高いし、これは映画館で観たかった・・・。
実録テイストで描く社会派アクションドラマ。序盤はリオデジャネイロを舞台とした警察の汚職とギャングの関係性の状況説明で、少しガチャガチャしてわかりずらい。中盤は幼馴染みの若手警官2人が軍警察特殊部隊BOPEの選抜訓練を受けるフルメタルジャケット的しごきのイベントがあり、ラストは全てを失った新米隊員が終わりのない戦いへと身を投じる様子が描かれている。90年代の富裕層のポストモダンをツールとして社会の表層を論じる軽薄さ、リアリティのなさへの批判や、理想や個人の思いがシステムにより粉々に破壊されながら社会が循環している悲劇のダイナミズムがハードなタッチで表現されている。
2016.3.5 ムービー・プラス(字幕)
Netflix観賞。ボッピに配属される前、訓練、そして一人前になるまでを、無駄無く描いている脚本が素晴らしい。秀逸なのは、もう一人の主人公マチアスをインテリに設定する事で、金持ちインテリリベラルの世界を垣間見せ、彼等の欺瞞を見事に暴いているところ。身も蓋もない暴力が支配している世界では、上げ底の綺麗事や現代思想の知識はクソの役にも立ちはしないのだ。ジョゼ・パジーリャの世界認識のリアリズムは徹底している。日本のSEALDsの若者達にも是非観てもらいたい作品。