フランコ

動くな、死ね、甦れ!のフランコのレビュー・感想・評価

動くな、死ね、甦れ!(1989年製作の映画)
4.6
画面の運動量が全盛期の長友並みに圧倒的で、凍てつく温度を全く感じさせない人々の生命力に呆気にとられる。第二次世界大戦後間もない極東ソ連の喧騒や狂乱もけたたましい。1940年代の映画さながらのモノクロのボケ具合やデフォルメされた明暗も強烈で、突然訪れる静寂にも見せ場があったり、音響デザインも素晴らしい。タイトルは小津の『生まれてはみたけれど』で子どもたちがやってた遊びを思い出すが、監督の発言は映画からは想像できなかった↓

「私はこの映画で、自分の子供時代を甦ら涼しいため、現在という時の流れを止めた。止めることは死を意味する。そして、それをフィルムに起こすため、私はもう一度甦ったというわけだ」

3拍子のテーマソングがセンチメンタルでキャッチー!路上ですれ違うおっさんの満面の笑みのどアップに度肝を抜かされる。

2017/10/16 ユーロスペース
2017/11/29 ユーロスペース
2020/2/11 早稲田松竹
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