せーや

ヤン・シュワンクマイエル短篇集のせーやのレビュー・感想・評価

4.0
ヤン監督短編集。
65年から94年までの作品の中から抜粋されてます。

「フード」
Breakfast Lunch Dinner
の三部からなる作品。
Dinnerが強烈。
監督の食事嫌いが全面に押し出されてる。

「石のゲーム」
可愛い音に合わせて
謎の石のストップモーション。
かわいいなあと思いながら見てたら
ラストはなんか切なかった。

「ヴァイズマンとのピクニック」
のどかな一日を過ごす家具たち。
結構のんびりしてたんだけど、
ラストの展開は驚きました。

「肉片の恋」
まな板の上で出会った二つの肉。
なんだろう、肉屋のCMにぜひ使ってほしい。

「フローラ」
ベッドに縛り付けられた野菜人間。
怖い怖い、というか気持ち悪い。
これってなんか意味あるのかな…。

「アナザーカインドオブラブ」
StranglersというバンドのMV。
監督の良さを詰め込んだような感じ。
まあ今までも軽くMV的な感じはあったけどね。

「スターリン主義の死」
スターリンの胸像を帝王切開すると、中から出てきたのは…。
文字通りの帝王切開。
これはけっこう歴史の知識がないと解りにくいかも。
監督には珍しくダイレクトな風刺が描かれてる。

「プラハからのものがたり」
ヤン・シュヴァンクマイエル監督の世界のルーツを追ったドキュメンタリー。
「幼少期は無垢ではなく、人間の持つ邪悪さが具現化される時代だ」
監督の実際のインタビューを交えながら、実際の撮影シーンなどもたくさん。
監督の世界観の基になったもの。
チェコという国、人々に植え込まれたスターリン主義。
様々な環境が、監督の作品に影響してる。
貴重なドキュメント。
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