ろ

フライド・グリーン・トマトのろのレビュー・感想・評価

5.0
「鏡で自分を見たら、イヤな女が映ってた。だから自分を変えたの」


これはおもしろかったですね~。

白人至上主義集団KKKが出てきたり、女性が強く生きる時代を反映していたり、ミステリーのスリルを味わったり。
人の誕生と死、そして女の友情!
トッピングは盛りだくさんなのに、まったく胃もたれしない不思議な物語。
「スタンドバイミー」や「プレイスインザハート」を思い出す、この懐かしい雰囲気。
爽やかな余韻がとても心地よかった。


主人公はキャシーべイツ演じるエヴリン。
どこにでもいる普通の主婦です。
そんな彼女がニニーおばあちゃんと出会うことで生活に変化が。

エヴリンはモヤモヤを抱えている。
自分は若くもないし、年寄りでもない。
そして超絶おデブになる勇気もない。
それでもチョコバーは10本ぐらい食べちゃう。
こんな中途半端な自分に自信が持てなくて、
夫への不満をぶちまけることも、新しいことを始める一歩も踏み出せない。
だけど、彼女は「自分を変えたい!」って思っているんですね。

そんなとき、偶然出会ったニニーおばあちゃん。
彼女が語る昔話の中にはイジーというたくましい女性が出てくる。
エヴリンは彼女の影響を受けて徐々に変わっていきます。

もう夫の顔色をうかがうのはウンザリ!
自分らしさを少しずつ取り戻していくんです。
その様子がまたリアルでいいんですよ~。
劇的な変化はないけれど、エヴリンの目がキラキラと輝いて、イキイキする姿には勇気をもらいます。


そしてエヴリンの変化とともに、昔話も展開していく。
その昔話の中では殺人事件が起きている。
犯人は一体誰なのか?
ドキドキしながら観るのも楽しいですよ。


ぜひ大切な友人、ご家族とご覧になってみてください。
きっともっと、その人のことが好きになるはずです。

エンドロールで流れる「I’ll remember you」もとても素敵なのでお見逃しなく!
ろ