グラビティボルト

みな殺しの霊歌のグラビティボルトのレビュー・感想・評価

みな殺しの霊歌(1968年製作の映画)
5.0
現代じゃ絶対出来ない女性観、あるいは女性嫌悪に満ちた作品。強烈な毒みたい。
お話は正直ド肝を抜かれっぱなしで理解出来ない部分が大きい。特に犯人の動機は現代人の価値観と真逆ではないか?(知らんが)
それでも冒頭、殺される女の惨いアップから魅了されるしヒロインと主人公の歪なロマンス(歩道橋のローアングルに涙)も忘れ難い鑑賞感を残す。
「沓掛」と同じく加藤泰はシネスコ構図も映える。「何処か解らない場所でヒロインと主人公が話す」っていう不思議なシーンでは、二人の距離感を強調した縦あるいは斜めの構図が作られて、男が近づくと女に影が覆い被さる。