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悪い女のRenkonのレビュー・感想・評価

悪い女(1998年製作の映画)
3.5
予習と復讐は大事ですということで、先行公開される「メビウス」の予習を兼ねて鑑賞。
初期キムギドク監督の作品。

窓辺から、水面から。そして、足跡や靴を予兆として捉えたカメラセンスが素晴らしかった!
めちゃくちゃ面白いとは言えないが、初期にしてその才能を遺憾無く発揮していた作品でした。

海辺の売春宿を営む家族と、そこに娼婦として住みこむことになった女の交流を描いたヒューマンドラマ。
エロティックサスペンスのコーナーに置いてある作品だが、特にサスペンス要素がある訳でも無く、誰が悪い女という訳でも無かった。
(原題である「青い門」という宿の門をイメージした題名の方がしっくりくる)

宿の家族と娼婦が一緒になって顔を洗い、歯を磨き、食卓を囲むシーンが印象的だった。
主に描かれているのは、実家が売春宿である反動からセックスに対し臆病になっている宿の娘ヘミと、なんだかんだで男たちに騙され、諦めながらも身体を授けてしまう娼婦のジナという、同い年でありながら性に対する考え方が真逆の2人の交わりであり、化学反応だ。
相成らない2人の気持ちが重なった時、曇りの続く青い門にも晴れ間がやってくるのだ。
(個人的には、ジナを抱いた親父と息子が性病にかかり、病院でばったり会うシーンが最高に笑えました)
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