おけい

シルバー・グローブ/銀の惑星のおけいのレビュー・感想・評価

3.5
う〜ん…。『ポゼッション』しか観たことないと思うのだが、アンジェイズラウスキ監督…難解過ぎた。難解な映画は嫌いではないし、むしろ何度も鑑賞したり、あれこれ考えたりする過程も含めて好きなのだが。割とどんな映画でも受け入れることができる私なのに、これはかなり期待して観たせいもあるが、観てて苦痛を伴う映画だった。

ポーランド政府により強制的に撮影中止に追い込まれ、失われたフィルムをズラウスキ監督自身のナレーションで補う型で完成させたSF大作。

地球に似た環境の惑星に不時着した宇宙飛行士達が子孫を築く。時間の進み方が地球より早い(むしろ地球においての時間の概念自体、ナンセンスだが)ために子供の成長も早くあっという間に人類が繁栄する。

SFではあるのだが、もう本筋となるのは人間ドラマなのだろう。争い、殺人、そして人間の作り上げた神に宗教。まるで地球で人類が歩んできた愚かな歴史の縮図を見せられてるようだ。

宇宙飛行士という科学に最も近い人類が残した子孫なのに、超原始的で宗教的なものに傾倒していく様が滑稽過ぎる。

セリフが哲学的で難解なうえ、終始意味不明な言葉を叫び散らし、泣き叫び、ひっくり返り悶絶したりと大袈裟な演技が延々と続き、自分には少々厳しかった。

ビジュアル的には独創的で目を見張る物があり芸術性には優れてる作品と思います。
おけい

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