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シルバー・グローブ/銀の惑星の655321のレビュー・感想・評価

3.0
例えば『2001年宇宙の旅』のような。
例えばホドロフスキーの映画のような。
例えば「ツァラトゥストラはかく語りき」のような。

それらに似ているようで、また一味違う。
縦横無尽に動くカメラ。
ダリオ・アルジェントばりに違和感のある音楽。
まるで詩のような台詞。
政府の指示で制作中止になってしまったので、穴の空いた部分を埋める苦肉の策のナレーション。
それら全ての破天荒で無秩序な要素が幾重にも絡み合う事によって調和となる。

して、その内容は、
さっっっぱり分からない。
一応三回観たけど何一つ分からない。
多分スワヒリ語の人と会話するより難しい。


私が『2001年宇宙の旅』で好きなのは前半部分。
猿が英知を手にしてまず行うのは
武器を作り、戦争。
文明の生まれた場所に戦争はつきものだ。
文明の生まれた場所に宗教はつきものだ。

惑星に不時着した反体制派の宇宙飛行士たちがモノリスとなるこの映画が当時の共産主義政権に潰されてしまったのは必然だろう。

内容はさっぱり分からない。
だがそれも含めてこの映画は
アナーキーな魅力に溢れている。
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