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SOMEWHEREのswimminのレビュー・感想・評価

SOMEWHERE(2010年製作の映画)
4.4
(昨日ブリングリングを批評しといてなんだけど)わたしはソフィアコッポラの映画のどこが好きなんだろうって考えたら、”主人公が世界から切り離されているような感覚”の描き方が上手いからだという結論にたどり着いた。

華やかなところへいってもどんなに楽しいことをしても孤独を感じたり生きている心地がしなかったりする。そんな感覚と気持ちをいつも繊細にリアルに掬い取って表現している。ことばにし難いし、ひけらかすと病んでいるみたいだけど、きっと少なからず皆が感じたことのある気持ちではないでしょうか?

女の子を最強に可愛く写したり、柔らかい光とか音楽とか美術、インテリアが単純に好きなのはもちろんで、この映画に関してはそこも文句のつけようがない。エルファニングキュート。

申しわけ程度にストーリーにも触れておくと、俳優であり父であるマルコと、離れて暮らしていた娘クレアが過ごす数日間が大筋。マルコの生活につきまとう寂しさや虚無感に相反するように描かれるクレアとの日常。なんてことないと思える親子の生活がどこを切り取っても大切に思えてくる。

フェラーリでのふたりの会話とか居た堪れないホテルでの朝食とかプールのシーンとそこで流れるStrokesとか大好きなところを羅列したらキリがない。特別な思い入れがある映画。
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