yayuyo

SOMEWHEREのyayuyoのレビュー・感想・評価

SOMEWHERE(2010年製作の映画)
4.5
たまに始まった瞬間
「これは好きなやつだ!」
と直感する映画があって、これもそのうちの1本に仲間入り。

ハリウッド俳優で華やかな世界にいる反面、何か満たされない想いを酒や女で紛らわす様子や、
娘と過ごす父としての日々の穏やかな心境が淡々と、そして丁寧に描かれます。

ソフィア・コッポラの映画にはどれも根底に孤独感、虚無感、絶望感…
そういったものがないまぜになった雰囲気が流れているけれど、今作は特に偉大な父を持つ彼女の幼少期が反映されている作品なのかな…。
彼女の人生観が垣間見える気がします。

また、エル・ファニング演じるクレオの可愛らしさには目を見張るものが。
年相応の無邪気さもありながら、
お父さんに女の影があるのもわかっていて。
お母さんが自分をお父さんの元へ預けたきり帰ってこない事に悩む、繊細な年頃の女の子を自然に演じています。
シンプルなワンピースやアイスダンスの衣装も素敵で、
そこはソフィア・コッポラの本領発揮といった所かな?


清々しい気持ちになれるラストシーンまで、全てが印象深く余韻の残る作品でした。
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