左腕にはめられたギプスを濡らさないようぎこちなくシャワーを浴びるシーン。
共演女優と写真を撮る時、身長を高く見せるために乗っていた台から降りるシーン。
フェラーリを走らせていると見知らぬ美女に微笑みを向けられ、なんとなく後をつけてみるが空しくなって帰路につくシーン。
そういう一見なんの意味もない、でも何故か心地のいいシーンが集まり1つの映画としての雰囲気を形成してる。
人が死ぬだとか、爆発シーンがあるだとか、どんでん返しがあるといった刹那的な高揚がある訳では無いのにずっとこの映画の世界から離れたくないと思わせられる作品。
ソフィア・コッポラが計算して撮ったのか、たまたまそういう風に撮れたのか定かではないけど、映画好きがなぜ映画の世界に魅了されるのか、その理由となるものが沢山詰まってた。
