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モダン・ミリーのvincentのネタバレレビュー・内容・結末

モダン・ミリー(1966年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ジュリーアンドリュースのファンのはずだったのに初めて見た。
舞台となった時代は1922年。所謂ジャズエイジの物語の様だが、大戦後の好況期、大恐慌前夜の狂乱の時代はあのバブル期にも似てアメリカでも妙な郷愁があるのか、作り手がおおいに楽しんでいる雰囲気あり。
フラッパーの風俗は本場ものだけにシチュエーションのバカっぽさも気にならない。
音楽はエルマーバーンスタイン。「大脱走」「荒野の七人」「ゴーストバスターズ」「アラバマ物語」などなど豪華絢爛な仕事で映画史を飾っている。まさかミュージカルを書いてアカデミー賞まで取っているとは思わなかった。ビックリ。
アンドレプレヴィンは指揮者としての顔しか知らなかったが、調べてみたらジャズピアニストの経歴があり映画音楽も「マイフェアレディ」や「キスミーケイト」その他諸々に関わっておりました。
この歳になっても知らない事がいかに多いか、自分の無知振りにビックリ。
コメディの動きの要素は無声映画時代のアクションではないかと思ったがどうだろう。
ちょっとバスターキートンめいたジェームズフォックスのダンスやスタントシーンにも驚いて、映画好きの絶妙なツボを突きまくる作品と言うのが正直な感想。
ミュージカルと言うよりはアメリカ版浅草軽演劇と言った趣向で145分の長尺を存分に楽しめた。
隠れた名作かも。
作品冒頭、ヒロインが髪を切り流行のファッションにメタモルするのは導入部のお約束。
だがしかし、ローマの休日でも思った事だが、オードリーヘップバーンもジュリーアンドリュースもロングで野暮ったい出だしの形りがひたすらに上品で可愛い。フェミニストにはとことん詰られるであろう感想ではあります。
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