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バンパイアの惑星のhorahukiのレビュー・感想・評価

バンパイアの惑星(1965年製作の映画)
4.3
『エイリアン』の元ネタと言われている、マリオバーヴァ監督によるSFホラー。リドリースコットもダンオバノンも否定してるようですが、擁護できないレベルでそっくり!コレ訴えられてたら負けてたんじゃないかな(^_^;)

あらすじ…
未知の惑星から謎の信号を傍受した二隻の宇宙船。調査のために降り立とうした先発のギャリオット号の消息が途絶える。主人公たちが乗るアルゴス号は物凄い重力により操縦不能に。不時着するも、なぜか乗組員同士が殺し合いを始める。何とか正気を取り戻した乗組員たちは先発のギャリオット号を見つけるも乗組員は全員死んでいた。その後埋葬したはずの彼らが墓から起き上がり…という話。

めっちゃ好きでした♫
上のあらすじだけだと、あんまり『エイリアン』っぽくないように思えますけど、めっちゃ似てるんですよ。ちなみに吸血鬼は出てきません。英題を適当につけられたみたいで、イタリア語の原題を邦訳すると『宇宙の恐怖』となるそうです。英題も邦題と一緒で適当なことやるんですね(^^;;

主人公たちが降り立つ惑星の、霧がかかった暗い雰囲気もそうだし、惑星で発見する、明らかに違う文明によって作られた宇宙船とかスペースジョッキーを思わせる巨大な人骨とか。寄生するエイリアンという発想まで同じ。ヘルメットもつけずに外に飛び出すとこも『プロメテウス』とか『エイリアンコヴェナント』と一緒(笑)あと『ライフ』も本作の影響受けてそう。

低予算なので何から何までちゃっちいです。でも、クラシックSFってその安っぽいとこすら愛おしく感じちゃいませんか??惑星でのシーンを全体的に暗くして青色や赤色といった原色の霧が常に画面を覆う等工夫を凝らした演出のおかげで安っぽさをうまく不気味さとか異世界らしさに転換させてるのがさすがバーヴァって感じですね。

死んだはずの乗組員が次々に蘇り、他の乗組員を襲い始めるんですけど、乗組員間の疑心暗鬼なサスペンス展開を取り入れつつ、2つの種族間の「個」を超えた、種そのものの存続をかけた生存闘争へと発展していくのも面白い。そしてラストのインパクトも素晴らしい。今まで頭の中に描いていた物語を上書きし、想像をはるかに超える壮大さや神秘性を感じさせるナイスなラスト。ただラストから考えると日本語字幕がミスってる気がするのが残念…(^_^;)

内容の面白さとか後世に与えた影響を考えると、日本版がVHSどまりというのが悲しい…。マジでマリオバーヴァの日本版Blu-rayボックス出て欲しいです!

VHSとBlu-ray(北米版)を比べてみましたが、Blu-rayはより映像が鮮明になっている代わりに「青」の発色が弱く、シーンによってはバーヴァの色彩感覚を味わうにはVHSの方が良い部分もあるように感じました。ただ、Blu-rayは「緑」の発色が良く、その点ではBlu-rayに分がありますね。そして、VHSではよくわからなかった衣装やセットの細部までしっかり映っているので買ったかいがありました!10月発売の日本版DVDがどんな色合いになっているか気になるところですね。両方の良い部分をうまく表現した日本版Blu-rayの発売を是非お願いしたいです。