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傷だらけの山河のhummingbirdのレビュー・感想・評価

傷だらけの山河(1964年製作の映画)
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西武グループの創業者・堤康次郎をモデルとした石川達三の同名小説の映画化で、鉄道の敷設事業と彼の妻や愛人、その子供を描いている。

この監督・脚本コンビにふさわしい内容で、主人公が悪辣な手段で周囲を手玉に取り、人を不幸にしているさまを描き、アンチヒーローとして扱っていないのが良い(山本薩夫は「赤いセシル・B・デミル」と呼ばれた反体制派の監督で、この主人公を批判していないと見るのは無理があると思う)。

冒頭のクレジットで表示されるのが、プロデューサー、原作者、監督で、誰が出てくるのか分からなくて、面白い。北原義郎や丹阿弥谷津子は、よく似た別人に見える。

相変わらずテンポは良いが、ジャンルがドラマのせいか、頻繁にカットは割らないで、じっくり見せている。

「生誕110年 巨匠・山本薩夫」
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