ユカートマン

ノー・ディスタンス・レフト・トゥ・ラン 〜ア・フィルム・アバウト・ブラー~のユカートマンのレビュー・感想・評価

4.0
90年代のイギリスの音楽業界を騒がせた張本人であるロックバンドBlurが90年代の映像を交えながらインタビュー形式で当時を振り返るドキュメンタリー。流される映像は楽しいのにメンバーの口から出てくる言葉がとにかく暗くて重い。ロクな思い出がない。人が死んでないのが奇跡なぐらい。それまでブリットポップの王子様だったデーモンがプライベートで辛いことを経験して作られたアルバム『13』からアーティスト路線に舵を切り、俯瞰的でシニカルな歌詞が内省的になり、さらには自分自身もギター弾くようになったってのがよく分かった。デーモンが「オアシスと賞を分かち合いたい」発言を後悔してたりティーン女子たちが会場にたくさんいたのがアイドル扱いされているようでキツかったとか、Oasisに勝って売り上げが1位になった日にグレアムが自殺しようとしたとか、いろいろ衝撃的。今まで見てきた音楽ドキュメンタリーの中でも上位に入る面白さだった。
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