どーもキューブ

脱獄の掟のどーもキューブのネタバレレビュー・内容・結末

脱獄の掟(1948年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

アンソニーマンの脱獄



1948年
監督アンソニーマン。



いよいよ10in1の「裏切りの世界」(コズミック出版)最後の作品。1800円でめちゃくちゃお腹いっぱいのオールディーズ作品集。

蓋をあけると最初の作品、「脱獄の掟」見かけて挫折していた作品でした。見てみた。




脱獄の掟なんていうから、どんな脱走思ったら、まあ誠に軽やか。しかも女性ふたりと逃げるなんてと思っ て、なんか生ぬるさを少し感じた。のだが、なかなかみすすめていくと面白くなっていく。

脱獄犯がふたりの恋のバトルでもあり、ナレーターがその女性なのも面白い。

監督がアンソニーマン、西部劇や「エルシド」を作っていた印象。

とても面白い瞬間がいくつかあり、シネフィル系レビューがあったのも面白い。縦の構図とか、横のとか、これは蓮實重彦がよく語ってた内容ですがね。

低予算の本作のような映画は、一画面に複数の人を配置して少ないカメラ割やカメラ移動でアクションを魅せる的なニュアンスの話だ。

本作のアクションシーン、まあやるかやられるかの所は、本当に面白かった。

剥製が並ぶ骨董品で乱闘するのだが、音楽なしで、殴る「ボカ!」って音で表現し、また薫製の鹿の角で刺そうとしたり、顔をつかんだり、リアルな暴力シーンで新鮮だった。

どうしてもアクション担当さんの「殺陣」みるのが今の主流なんで、とっても面白かった。

あとハプニングを入れるのもうまかった。だいたい3人で逃げるがないのにやるところが面白い。

なんか若い弁護士の娘と、馴染みの年寄りで恋の駆け引きあったりするのも独特。若い方は「自首しなさいよ!」とか説教したりする、もしくわ「私!これから警察行きます!」とか言う。

「殺す」「逃げる」を決してしないのも味噌。 

はや鉄砲で撃てよ!とか、

そこで走って警察かけこめよ!とかには
絶対ならない恋という面白みがあった。

ヤクザのボスがこのボックスに二回登場した役者さんで、素晴らしいふてぶてしさで逆に好きになった。大柄で目がクリクリしてて、素晴らしかったなー。

「おとし穴」で主役の不倫相手の探偵役の方でした。レイモンドバーという役者さんで、一見するとジョージクルーニーにみえた。


脱獄というくくりだが、みたことないオリジナリティでだんだん面白くなった。
さすがアンソニーマンとうなりました!



さて
アンソニーマンの古びた恋の脱獄
脱獄の恋の法律

おすすめの変わった脱獄ムービーでございました。


追記
レビュー読むとシネマヴィーラや東京のミニシアターやらで上映されるてるんでびっくりします。

フィルマ版追記
ようやくコズミック出版製、1巻まるまる見切りましたあ~!完走しましたあ~!いやあ、これはまさしくシネフィル向きのソフト化ですね。

(あと、シネフィルというものいいあんま好きじゃないっす。映画好きでええやん派閥です。自ら称したくない派閥、いや生態性質は完全シネフィル形態なんだけど、、、トホホ)

ほか、アカデミーもの、イタリアもの、俳優特化ものと、ホラーものと物凄い物量を2000円に閉じ込めた素晴らしい円盤集です。
配信レンタルビデオ化のいま、こういうソフト化ありがたあ~いです。

やはりフリッツラングやら
エリアカザンやら
手軽に見れるのは、いいっすねー。

ざっくり完走感想ですが、
フリッツラングがすーーげえ!ゴダールがリスペクト理由わかる。

個人的に「おとし穴」が1番好きでした。
あとエリアカザンのやつもよかったです。これはレンタルビデオでは、見れない、ミニシアター何年に1回上映待つとかより断トツ良い環境になりましたね!

あとあとスコセッシが大好きなラオールウォルシュが見たいですねえ。

温故知新にふさわしい、ゲージツの秋2022だす。

ちなみに第二弾
「野望の世界」購入済!!
「激怒」のフリッツラングから見ています!近日レビュー予定!
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