Jeffrey

水で書かれた物語のJeffreyのレビュー・感想・評価

水で書かれた物語(1965年製作の映画)
4.0
‪「水で書かれた物語」‬
‪冒頭、シャッターが閉じる。温泉、川で遊ぶ子供等、深酒し噎せ吐く男。線路を歩き、空襲警報、防災頭巾を被り走る息子、病気の父、風景のカット、車事故、異母兄弟…本作は吉田喜重が松竹から独立し、日活で妻の岡田茉莉子を主演にした石坂洋次郎の同名小説を映画化した近親相姦と言うタブーなテーマを描く。物語は美しい母と暮らす静雄はサラリーマンだ。父は子供の頃に亡くなり、母は町の有力者である伝蔵と関係を持つ。静雄は伝蔵を憎むも母にはそう言った感情は無く普段の生活をする。だが軈て彼は忌しい秘密を知り展開は不幸真っしぐらへ…これは大好きな吉田映画の一本で、温泉のシーンで子供時代の静雄役の中川いたるが温泉に浸かる岡田の周りをぐるぐる回る頭上ショットや河原の橋を着物姿に日傘を差し渡る岡田の美しさったら凄い…後の煉獄エロイカで象徴的に映る日傘の姿はこの作品から出てると改めて鑑賞して感じた。兎にも角にも一柳慧の音楽が海辺をリヤカーに人形を置き行進する描写や浜辺に打ち上げられた死体等の画がかなり雰囲気出ていて怖い。前作では武満徹の音楽、本作以降から一柳慧とは組む事になるが前衛的な音に魅了される。黒を基調とした画調での母と息子の自殺発言するシークエンスの岡田を捉えるカメラが左右に揺れたり、頸のエロスが凄い。ラストの傘が海に浮かぶ小舟での海上撮影やロングショットは悲哀だ。いやーこんな忌まわしい過去の秘密を青年が初めて知った時の心情や出会った女は母親って…これがまた美しい母との母子相姦を見せられる観客の身としては、早死にした父により母が一人息子を育てる為に街の有力者と関係を持ち、最後に親子との性が彼等の絆になると…凄いメッセージだ。やはり本作以降から吉田の前衛的な映像が繰り広げられていく。まず映画を観て感じるのは視線の在り方だ。普通の娯楽映画には無いソコを強調して撮るか!と言いたくなる風変りな画を映す。それと他の女が静雄を誘惑するシーンは益々、女性の性に対しての不可解さを表し暗示させる。‪それにしても岡田茉莉子が現れるファーストカットを彼女の頸にするとか、エロ過ぎだろう。奥さんをどんだけ綺麗に撮るんだ。難解と言えばそうだが観る価値ある一本だ。‬最後に父役に岸田森が少し出演してるが、やはりハンサムで印象を残す。やっぱ岸田森好きだわ…‬