真っ黒こげ太郎

ミステリー・ツアーの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

ミステリー・ツアー(2004年製作の映画)
2.5
コメディ寄りのスラッシャーと言えば聞こえは良いが…。



無人島を丸ごと利用した娯楽施設、「クラブ・ドレッド」。
そこは酒も麻薬も乱交も何でもありのパラダイスで、その余りのパラダイスっぷりに、若者達は賑わっていた。

そんな中、「クラブ・ドレッド」の従業員が一人、また一人と殺されてゆく!!!
オマケにボートも電話も無線機も壊され、脱出手段が絶たれてしまう。
従業員達は犯人を探し出そうとするが、従業員達はどいつもこいつもアホばかりだった…。


リゾート地となった無人島で働く従業員達が謎の殺人鬼に次々と襲われてゆく、スラッシャー・ホラー・コメディ。


コメディタッチなスラッシャー・ホラー映画と聞いてレンタルしたのだが、実際はスラッシャー映画要素が1割に、おバカ連中のドタバタ劇が9割な殆どコメディだった…。
そもそも監督のフィルモグラフィーを調べたら、殆どコメディ映画だった…。

お話としてはリゾート地で謎の殺人鬼が次々と殺戮を繰り広げる、ありきたり度マックスなよくあるタイプの作品…。
なのだが、登場人物が多くて誰が主役か分からないのはまだしも、殺人シーンよりバカ連中のワチャワチャの方が長いので、正直かったるい!!!
そりゃぁこの手の映画で若者連中のバカっぷりはお約束だけどさ、そればっか見せられてもな…。

リゾート地ではバカな獲物がやたらといるのに、殺されるのは冒頭のバカ連中と後は従業員だけ…。
スプラッター描写も生首とか胴体真っ二つとかあるけど殆ど初期の控え目な頃の「13金」レベルで物足りない。
これでドラマやコメディとしても面白ければまだマシだが、皆バカすぎて感情移入できそうな奴は居ないし、コメディとしても微妙でイマイチ…。
(調理場でオッサンがキレてるのはちょっとだけ面白かったが。)


そんなこんなで下手すればゴミ映画間違いナシ(いや、片足は突っ込みかかってるか?w)な映画だが、一応褒めるところはあって、犯人が誰かの謎解きはそこそこ悪くないし、クライマックスのコメディタッチな殺人鬼からの逃亡劇もそこそこだった。
しつこい殺人鬼の倒し方も中々斬新だったし、最終的に生き残るのが比較的好感の持てる連中だったのも後味が良かった。
後、本編の出来には無関係だが序盤辺りで出てきた挿入歌は中々いい曲だった。w


結論から言うと、メジャー配給らしくそれなりの出来にはなっているものの、ふざけすぎなぬるいコメディタッチは如何ともし難い。
舞台のお膳立てや謎解き要素、クライマックスの切れ味は良かったものの、全編に流れる緊張感ゼロのコメディは正直邪魔すぎて、鑑賞中はそこまで退屈しないにも拘らず、見終わった時には何かここまで時間を割いて見るべきだったんだろうかと遠い目になる。
(ついでに尺も104分と長め。もうちょっと絞れたろ!!!)
まぁ製作陣は初めからゆるいコメディとして作る気マンマンみたいだからしょうがないけどさ…。



最初からコメディとして見ればそれなりに楽しめるかもしれないけど、俺みたいにホラー要素を期待してるとガックリする事間違いナシなので注意。
正直、ホラーコメディならもっとバカ&グロで下品に振り切った方が好きだったな…。(トロマとかw)
折角の休日前の夜に、何見てんだろ…。