菩薩

雨にぬれた舗道の菩薩のレビュー・感想・評価

雨にぬれた舗道(1969年製作の映画)
4.0
アルトマン特集決定の報を聞いた時にアケルマンがそこそこ人入ったからついでじゃね?となんの根拠も自信も無い冗談を飛ばしてみたものだが、いやマジで、ちょっとあり得ると言うか、これめっちゃジャンヌ・ディエルマンの元ネタ感ありませんか…?ブルジョワマダムがずぶ濡れトー横キッズを拾い甲斐甲斐しくケアしてやるがトー横キッズもキッズでしたたかでありなかなか思う様にケアに対しての報酬が返ってこない。ノブレス・オブリージュの枠を超え性的搾取に走りそうになるとこは家泊めてあげるよおじさんと同じ事してるだけだからダメなんだけど、その辺りからインセルの暴走みたいのが始まり孤独・退屈・欲求不満の三点セットが彼女の世界を歪めていき、ついに完全に吹っ切れる。これにもっと主婦の献身と単純労働が加味されればジャンヌ・ディエルマンになるし、灰汁を抜けるだけ抜いたら『きみはペット』になる。劇中に強烈な悲鳴が2回、ちゃんと心臓止まったのでやめて欲しい。近親相姦匂わせシーンはフリーセックス時代の表象かな。
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