ポケ文太郎

雨にぬれた舗道のポケ文太郎のレビュー・感想・評価

雨にぬれた舗道(1969年製作の映画)
4.7
1969年 アメリカ🇺🇸カナダ🇨🇦

〈ロバート・アルトマン傑作選〉@角川シネマ有楽町にて

広い贅沢なマンションにひとり暮らしの30代くらいの女性
親しい人は年長者(老人)ばかり
言いよってくる男も爺さん…
そんな女性が公園でずぶ濡れになっている青年を自宅に招き入れるところから始まるお話

一言も話さない青年と彼を拾ってきた野良ネコのように世話をやく女性
なんとも奇妙な関係ですが、青年の正体は…?
でもこれはミステリーじゃないです
時代が時代だからヒッピーみたいな生活をしている青年
古い時代の価値観を引きずっていた女性は今まで自分の周囲にいなかったタイプのこの若い彼と出会って少しずつ変わっていくんですけど…

でも『君はペット』みたいなラブラブな話じゃない
どんどん怪しい方向に進んでいきます

演じているのはサンディ・デニス
この人の不幸顔が役にピッタリ
彼女の派手じゃない、繊細な演技がジワります

世間知らずの“オールド・ミス”(死語)の行動が不憫すぎてちょいちょい泣けてきます

だからあのラストもしょうがない…のか?

アルトマン監督の長編映画3作目
興行的には大失敗だったようです
でもこれは傑作!大傑作!
自分は監督の作品の中で一番好きです
ポケ文太郎

ポケ文太郎