あびちゃん

渇きのあびちゃんのレビュー・感想・評価

渇き(2009年製作の映画)
4.0
人間が怖い。真顔が怖い。笑顔が怖い…。ゾッとするシーンがたくさんあって、目を塞ぎたくなることはあったけど、続きが気になってしょうがない。

人を傷つけることを許されない神父がバンパイヤになってしまい、生きるために人の血を吸う。誰も傷つけずに済むはずが無くて…。
絶望の中で偶然出会ったテジュという女性。鬼姑と旦那であるマザコン息子(ガンウ)と共に地獄のような生活をしていた彼女は、目の前に現れた神父に心を許し、互いに安らぎを求めるようになる。2人の愛が加速して、幸せへ向かうのかと思いきや…。
神父はバンパイヤ。人間にとっては悪者でしかなくて…。切ない。

(ここからネタバレ)
テジュが神父の血を飲みバンパイヤになってからはめっちゃスリラー。誰が見ても神父とテジュは悪者。でも血がないと死んじゃうから…。テジュの狂気を抑えようとする神父だが、周りの人間関係が崩れた瞬間サイコパス。
死んだガンウが怖い&キモい。ガンウの母親が植物状態になってからの真顔が怖い。何考えてるか分かんないのが怖い…。希望すらない。

でも最期、神父とテジュが日の光を浴びて焦げていく姿…。死を選んだ彼らは偉いと思ったけど、かわいそうだった。バンパイヤって切ないね。