これはフリードキン監督によるテレビ映画(1997年)。ルメット監督の劇場用映画(1957年)は90分だが、これは120分で30分も長い。私はどちらも観てるが、こっちの方が好きだ。ルメット版との違いは、こっちは「カラー」で「黒人がいる」こと(ヒスパニック系白人もいたような)。
あらすじ。
少年が父親殺害の容疑で逮捕された。その陪審員として12人が議論する。全員が有罪だと、無条件で少年は死刑になる。最初、無罪を主張したのは一人だけだったが……。
2時間あるが、時間的な省略はない。すごい緊張感だ。でもユーモアたっぷりの議論である。有罪か、無罪か、右に左に揺れる男たち(女性はいない)。こんな映画は他にない。
音楽がない。
会議室(?)以外がない。
なんて映画だ?! きっとつまらないぞ。
だがこれほど面白い映画は、世界中に「ほとんど」ないだろう。
脚本がいい。まさに傑作映画。
ちなみに、ルメット版と脚本は「ほぼ」同じ。30年も違うから、微妙に変えてあるだけ。それから、三谷幸喜脚本の『12人の優しい日本人』(1991年)も傑作。
<追記>他の人が書いてるが、ルメット版はカメラワークに複数「いいなァ」と思うカットがあった。