藤田武彦

12人の怒れる男 評決の行方の藤田武彦のレビュー・感想・評価

12人の怒れる男 評決の行方(1997年製作の映画)
2.9
オリジナルのシドニー・ルメット版「12人の怒れる男たち」を観て下さい。大傑作です。
白黒ですが、気になりません。全く古さを感じさせません。

この作品「評決の行方」は、そのリメイク版です。

緊迫感、テンポ、ドラマ展開、テーマ性など全く別モノです。


まずカメラワークに大きな違いがあり、テーブル越しに人物を映しています。
会議に参加している感を狙ったのかもしれませんが、焦点がぼやけた画面になってしまっています。
オリジナルの方は、人物をアップでとらえ、緊迫感があります。

話者が変わる際も、人物の動きなどが入り、間延びしてしまっています。
オリジナルの方は、カットが瞬時に切り替わり、テンポ良く進みます。

投票がだんだんと変わっていく瞬間が、ドラマ性が現れる瞬間なのですが、オリジナルではドキドキとした期待感と意外感が感じられます。

これらをベースにしたテーマ性、人が人の人生を左右することのおそろしさも、オリジナルの方がリアルに感じられます。

ぜひオリジナル版から観て下さい。
藤田武彦

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