ハル

アウトローのハルのレビュー・感想・評価

アウトロー(2012年製作の映画)
3.7
良い感じにどんでん返しがあって、昔ながらのハードボイルド小説を読んでいるような読後感を味わえる一作。
トム・クルーズの型破りな元秘密捜査官役がイカす。

とある事件が起き、とっくに引退したはずのジャック・リーチャー(トム・クルーズ)が容疑者から呼び出される不穏なスタート。
当初は助けを渋っていたものの弁護士のヘレンに頼まれ、共に事件の真相を探っていく。

警察でも軍人でもない民間人のジャックの捜査方法は非合法なものばかり。その為、すぐ喧嘩になってしまうんだけど…流石に元軍人だけあってめちゃくちゃ強く、1対5もなんのその。
トム・クルーズがそもそも強そうなので、説得力がある。
ガタイも凄かった。
ムキムキというよりはぶっとい大木のようなフィジカル。

時にはパワー、時には名推理で黒幕へ迫っていくジャック・リーチャー。

そして、最終的にたどり着いた真相。単身乗り込むつもりのジャックは“武器がほしい”と道中世話になったじいちゃんへ頼む。
ただ、じいちゃんはナイフしか渡さず、狙撃は「俺がやる」と言わんばかり。
了承も得ず勝手についてくる。
一応元軍人らしいけれど、もう70かそれ以上に見えるじいちゃんとの不安定タッグ。
ずっと片目を瞑ってる為、大丈夫??と聞いたら「視力を蓄えてるんだ」と一言。
どうやらガチのようだ。
戦闘開始と同時に突っ込むジャック、恐ろしい精度で狙撃するじいちゃん。
二人で敵を倒しまくって黒幕に辿り着きFINISH。
描写にリアリティーを感じる戦闘シーンが最後に用意されていて、この一連のシーンは迫力もあり、臨場感が際立つ見せ場となっていた。

ジャック・リーチャーにとっての正義…それは“力”
彼の行動を見ていると法律や枠組みだけでは人を救えず、力無き正義は無力なのはその通りに思えた。
推理面、戦闘面含めやや強引すぎる幕切れだったけれど、トム・クルーズならこれもありかな。
プロットの練り方がざっくりとはいえ、それなりに楽しむには程よい塩梅の作品。
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