マヒロ

アウトローのマヒロのレビュー・感想・評価

アウトロー(2012年製作の映画)
3.0
無差別乱射事件の容疑者として元軍人の男が逮捕される。動機も何も謎の男を弁護するために弁護士(ロザムンド・パイク)がやってくるが、容疑者は『ジャック・リーチャーを呼べ』という言葉を残したまま、移送中他の受刑者に暴行され昏睡状態になってしまう…というお話。

この後『ミッション・インポッシブル』でも組むことになるクリストファー・マッカリー監督とトム・クルーズの初タッグ作品。
最近は、度を越したスタントの連発でいつか本当に死ぬんじゃないかとヒヤヒヤさせてくるトムも、今作では完全無欠のヒーローというわけではない等身大のヒーローを演じていて、それだけでなんか安心する。邦題の通り、突然現れた謎のアウトローというキャラクターなのかと思っていたら突然裸を見せつけて弁護士を誘惑したり、肉弾戦でも割と敵に反撃を食らって慌てたりとか。

開幕の銃撃シーンの異様な緊迫感から、市内でのカーチェイスや地道に足で(たまに暴力)情報を集めるリーチャー等、火薬・筋肉・CGあってナンボになる前の往年のアクション映画のような地味な渋さがかっこよくて、それこそ後の『ローグ・ネイション』を思い起こさせられたりして、トムがわざわざマッカリー監督を起用したのもこの感じを『MI』に持ち込みたかったからなのかなと思った。

ただ、後半になると突然雑になるというか、真犯人が急に明らかになったり敵陣に突っ込んで行ったり、慌てて風呂敷を畳みだすような感じなのがちょっと勿体無かった。そのちょっと変なバランス感覚も含めて、ジャック・リーチャーというキャラクターを表すようで面白いっちゃ面白いんだけど。


(2018.53)
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