K

人生の特等席のKのレビュー・感想・評価

人生の特等席(2012年製作の映画)
3.5
【AIの時代にスカウトマンは必要か!?】

メジャーリーグの名スカウトとして活躍していたクリント・イーストウッドが失明しかけながらも娘のエイミー・アダムスとともに今までの経験をもとにして最後の仕事をする話だった。

短い時間の中に父娘、男女、仕事の問題が詰め込まれていて見応えもあるし考えさせられるんだけど、その反面 忙しない印象も受けた。

また コンピュータによるデータ主義的なスカウティングと 人間の職人的なスカウティングとの 対立構造も示されていて興味深く観ていたけど、結局その先にあるのはデータ量=愛という身もふたもない結論のような気もした。データサイエンスの発展に期待を寄せつつも クリント・イーストウッドみたいな偏屈だけど愛情深い爺さんがいなくなることに一抹の寂しさを覚えるよ。

そして 印象に残った台詞はジャスティン・ティンバーレイクがエイミー・アダムスに言った「知ってるだろ 驚異の3割バッターも7割は凡退ってこと」ってやつだ。どんなにすごい人間でもそのチャレンジの大半は失敗なんだと思うと気が楽になるし、また頑張ってみようと思うものなんだね。おもしろかった。


【スコアと内訳】

スコア:3.5
------
①脚本:0.6
②演出:0.7
③演者:0.8
④撮影:0.6
⑤音楽:0.8
------
K