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人生の特等席のtonton88のレビュー・感想・評価

人生の特等席(2012年製作の映画)
3.6
老いとの葛藤。
現実を見たくない気持ちと
それを飲み込もうとする努力。
自分との折り合い。

これらが
以前見たときの印象。

ただ数年ぶりに再見して
少し印象が変わった。

2つの「人生の特等席」に
よりフォーカスして楽しめた。

メジャーのスカウトマン。

この映画が製作された時よりも
さらにデータと統計
そのマッチングであらゆることが
理解され評価されているいま。

だからこそ本物を見抜く力を養う
現場こそが最高の場所。
数多く本物に触れることで、
自分なりの基準を持ち
判断できる能力を高めることが出来る。
それを高められる特等席に
座り続けることの幸せ。

もう一つ。
自分の居場所。
自分にとって
子供にとって
相手にとって
人生の特等席がどこかなんて
本当にわからない。

野球、クルマ、自然
酒とビリヤード、大して上手くもない食事
これが人生の大体全て。

愛情があっても
言葉にしても
向き合っても
なかなか伝わらない。

親子だからこそ難しく
そこから逃げてしまう。

誤解と誤解と誤解
親友が取りもっても
こじれた糸は簡単には解れない。

社会的なステータスや報酬
見た目や属する大きな組織は
人生において重要な要素であり
その個人の価値を測る客観的な物差しではある。

大体気持ちいいもの
大体受け入れ共感されるものを
手間暇かけずに得るために
人は大半の時間を割く。

人生の2つの特等席を
もう一度見直してみようかと。
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