TAK44マグナム

華麗なるギャツビーのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

華麗なるギャツビー(2013年製作の映画)
3.7
フィッツジェラルドの小説「ザ・グレート・ギャツビー」をバズ・ラーマン監督&レオナルド・デュカプリオ主演の「ロミオ&ジュリエット」コンビで再映画化したもの。 

ド派手なパーティシーンや、いくつかの幻想的なシーンで、3Dが効果的に使われています。 
奥行きを意識した演出がなされていますが、距離感とかをリアルに再現するものではなく、あくまで登場人物たちの心情などを表現するために3Dが使われている感じです。 
ですが、本当に立体視で良かったなあと思うのは、やはり劇中何度かあるパーティの場面の使われ方です。 
一風変わった撮り方をしているので、他の3D映画では中々味わえない画が堪能できます。 

映画の内容は、一言二事で言えば「金がいくらあっても手に入らないものもある」とか「一途な愛を貫こうとしたら切ない幕切れが待っていた」とか「そもそも失った過去は変えられない」といったものでしょうか。 
デュカプリオ演じる主人公(実質の主人公は狂言回し役のトビー・マグワイアだと思うけど)のギャツビーは、お城のような大豪邸に住み、週末には豪華絢爛な大パーティを開いている謎多き大富豪。 
そんな彼の本当の目的は、五年前に別れることになった元恋人のデイジーを、やはり大富豪のトムから取り戻すこと。 
デイジーの従兄弟のニック(トビー・マグワイア)が隣に引っ越してきたことを利用して、何とかデイジーと再会できるように画策するのですが、これがやがて悲劇を呼び寄せてしまうわけですね。 

映画としてはギャツビーの謎で話を引っ張りますが、それは本来、大して重要なファクターではないのかもしれません。 
要となるのは、愛と金。人間の欲望の代表格と言えますね。 
そんな欲望に人生の全てを賭けるギャツビーの、人間としての魅力により、最終的にはニックに「グレート(華麗なる)ギャツビー」と称されるラストシーン(タイトルバックになっている)は儚く、物悲しいです。

それにしても、ギャツビーはレオナルド・デュカプリオにピッタリな役だなと思いました。 
デイジーと再会する時の緊張してドギマギした姿、ビシッとスーツをきめた紳士な姿、激昂して声を荒げる姿、どれをとっても巧みに演技していて、本当に適役ですよ。 

個人的には、映画の内容は星みっつといったところですが、3Dを駆使したパーティシーンと、デュカプリオの演技が素晴らしかったので、ちょいと評点はオマケしてあります。


セル・ブルーレイ3Dにて