水のまち

クレイジーホース・パリ 夜の宝石たちの水のまちのレビュー・感想・評価

4.2
赤裸々に輝く美の結晶、夢の中。飛び散るエロスと情熱のCRAZY HORSE。ボディラインという美の真髄、芸術の極み、を、横から撮るワイズマン。…なのだが、いつもと勝手が違う様子。パリの魔力に取り憑かれたのか、リハーサル風景はビシッとショットをキメまくるのに、本番は、あまりの魅力に寄り過ぎと、カメラワークの慌てた感もあり、いまひとつ抜けきらない。そして想定以上によく喋るフランス人に尺を持っていかれてしまう有様。色々と注文つけたくなるのは、それだけそこに美しいものがあったからで、赤毛にドット、ドサイケ、Toxic-Yael Naim、と、どれもヤバいくらいに気持ちが良くて、それこそヴェンダース監督でお願いします。とまで思いましたが、いえいえ、そういうのじゃないからと、十八番の別の取材陣を後ろから撮って一呼吸、ジワジワといつものニタニタが始まりまして、結局、ワイズマン監督と一緒に最高のヌード・ショーを観られて楽しかった。で、思ったのが、ワイズマンには“偉大なる”ではなく“愛すべき”の方が、私にはしっくり来るような気がした。
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