牛丼狂

クレイジーホース・パリ 夜の宝石たちの牛丼狂のレビュー・感想・評価

1.5
ワイズマンの作品は初鑑賞。カメラの存在を作品にいっさい介入させないように徹底している。ナレーションやインタビュー、テロップがないのは当然である。
というか「ある」という常識とつくってしまったテレビドキュメンタリーは罪深い。制作者の言葉をダイレクトに提示することのリスクを、視聴者は知らないだろう。
ひとつインタビューさながらのシーンがあるが、これはほかの記者がインタビューしているところを撮るという二重構造。あくまでこの作品を切り取るカメラは介入してないですよと。いちばん笑えたシーンだ。
膨大な素材を用意して編集で流れを組み立てるという作り方だろう。ほかの素材から音声だけを引っ張ってきたり、カットバックのように見せたりと、時間のコントロールは惜しげなくしている。
意外と残念だと感じたのはカメラワークだ。アップショットが多くて視点を強制されたり、それゆえに被写体の思わぬ動きにあたふたと慌てるカメラマンの姿が見え透いてしまうシーンが散見された。
あとは単純に、題材に最後まで興味をもてなかったことが楽しめなかった最大の要因。
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