救済P

ねらわれた学園の救済Pのレビュー・感想・評価

ねらわれた学園(2012年製作の映画)
3.3
たいしてねらわれてない学園。

「青春ジュブナイル×SF」といった感じのアニメ映画だが青春の部分(監督インタビュー曰く『コミュニケーション』の部分)とSFの部分のバランス調整がうまくとれておらずわかりにくい作品だと感じた。

未来からやって来た少年が歴史改変のために現代人の能力を覚醒させていく話・cv小野大輔のミステリアス未来人ということでめちゃくちゃ役にハマっていた。古泉一樹と朝比奈みくると長門有希の複合か?
この映画の考察を調べていく中で「キラキラしていてよくわからなかった!w」という感想を見つけたがまさしくその通りだと思った。キラキラしていてよくわからない。

前半は『コミュニケーション』を描くことに尽力しているが全編を通して解説がほとんどなく、精神世界や風景の描写が説明の役を担っている。しかしコミュニケーションを描くために雰囲気アニメにならざるを得ない。キラキラした風景やドビュッシーの曲により雰囲気はできあがっているがそれが物語を理解可能なレベルまで説明できているかと言われると微妙。

監督は「一度見ただけじゃよくわからなくてもおもしろかったと思ってもらえればよい」的なことを言っていたが実際のところ説明不足であることが面白く無さに直結しており、雰囲気アニメに振ったことは悪手だと感じた。たまたま世界観や風景描写が趣向にハマって何度も観ることになればいいかもしれないが、「よくわからなかったから面白くない」よって二度目の視聴はないとなるのが実情だと思う。

「青春ジュブナイルのSF」か「SFの青春ジュブナイル」をやればどちらかに振り切っていてまた魅力も感じるかもしれないが、「青春ジュブナイルかつSF」の塩梅では難しいと思った。特に前半は退屈で「これそろそろハニワの曲流れだしてもおかしくないで」と思いながら見ていた。SFに振り切ったほうが面白いと思う。
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