TakeruAkahoshi

東京家族のTakeruAkahoshiのレビュー・感想・評価

東京家族(2012年製作の映画)
2.0
明らかな「東京物語」のオマージュというか、パクリというか、その辺はおいといて。父(橋爪功)が旧友(小林稔侍)の元を訪れ奥さんの仏壇に手を合わせ、その後、母を東日本大震災の津波で亡くしたと言われた後の場面後で一瞬、廃品回収車が団地を回っている箇所と、舞台美術・大道具の職に就く末っ子(妻夫木聡)の部屋を母(吉行和子)が訪れている場面の背景に横尾忠則のY路地ポスターから、Y路地に住む家が写される箇所がいい。当然、小津の東京物語と時代背景が違うから生活様式は違うからローカットな訳でもないけど、長女(中嶋朋子)は杉村春子と同じ美容室を営んでるし、老夫婦が泊まるところは熱海ではなく、横浜のホテルだし、夏川結衣は原節子だし、東京物語を現代に置き換えてるのがみえみえで、そんなに嫌な感じはしないが、何と言うか、老巨匠の趣味で作ってる感じが否めないし、その後に繋がる家族はつらいよも、もう殆ど趣味ですからまぁつまらない。山田洋次は基本的に清廉潔白な綺麗な人間を描くばかりでつまらん親父の小言感が嫌なんだけど、それでも場面として上手い箇所はさすがだなとは思います。