yumeayu

LOOPER/ルーパーのyumeayuのレビュー・感想・評価

LOOPER/ルーパー(2012年製作の映画)
3.5
"ラッパ銃"

近未来のアメリカ。主人公ジョーは未来の犯罪組織の依頼で、現代にタイム・トラベルしてくる標的を処理する「ルーパー」という殺し屋だ。
しかし、ある日いつも通りに標的を処理しようとしたのだが、そこに現れたのは30年後の自分自身だった…。

未来の自分と会えるとして、何が嫌って「未来の俺はハゲている」というのが判明すること。ボロ袋をとったらハゲ頭のおっさん(自分)がいるショックは計り知れない(笑)。

そもそも現代の自分(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)と未来の自分(ブルース・ウィリス)が似ても似つかない。
わざわざ、徐々に髪が抜けていく描写を入れるくらいなら、初めから似た役者をキャスティングすればよかったのでは…??

ただ、SFタイムトラベルものとしては脚本が優れていて、なかなか面白かったです。
中盤までは現在と未来の自分の追いかけっこだったのに、後半ガラッと物語の方向が変化するのは見事でした。
タイムトラベルの仕組みや科学考証については、未来のジョーが劇中に言うように『複雑すぎる。どうでもいい』のでしょう。あまり気にしてはいけないようです。

一方で、浮かびながら走るバイクやラッパ型の銃など、ガジェットがSF作品の割に地味で、ワクワクしなかったのは個人的には残念でした。
"レインメーカー"と呼ばれる未来の犯罪王になる子供は『AKIRA』みたいで既視感満載でした。

監督のライアン・ジョンソンは今作の後に『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』の監督に抜擢せれるのですが、改めて考えると異例の大抜擢だったことに気づく。
で、ご存知のように散々な結果に…。

キャリアの浅さ故、周りから色々言われちゃって、自分の思うように作れなかったのでしょうか。
やっぱり相当なプレッシャーだったのかなぁ…。
yumeayu

yumeayu