近藤健太郎

LOOPER/ルーパーの近藤健太郎のレビュー・感想・評価

LOOPER/ルーパー(2012年製作の映画)
4.0
トウモロコシ畑の端に敷かれた、四隅を小石でおさえられた白いシート。突如そのシートの上に頭に布袋をかぶせられ後ろ手に縛られた人物があらわれ、すでにその登場を知らされ銃をかまえて待つものに一撃で殺される。

やべえ俺、このシーン観たことある・・・

なんと俺は過去に観たこの作品を全く忘れ、なおかつフィルマの「観たい」にmarkを付けていたことも忘れ、午後ローの録画予約をしていたのであった。

記憶というのはあやふやだ。

本作にもあやふやな記憶というシーンが何回か出てくるが、あまり本筋に関係なかった。
エミリーブラントがなぜlooperを知っているのかもわからなかった。
ブルースウィリスがなぜ標的の部屋に「驚いてる」のかわからなかった。

まあでも最後まで一息に楽しめる作品だった。

グロイのはセスのシーン。
ふと見ると右腕にナイフできざまれた謎のメッセージ。場所を示しているようだ。そこに向かって有刺鉄線を超えようとする老セス。
すると、一本ずつ消えていく指、そぎ落とされた過去のある鼻、ドアノブをつかむこともできない、立ってることも出来なくなる老セスがやっとの思いでたどり着いた場所は若セスの拷問部屋だ。ここで、30年後も死なない程度に若セスの体を切り刻んでいた。グロっ・・・

バックトゥザフューチャーでギターを弾く指がだんだんと消えていくシーンがあるが、それを思い出した。拷問ではないけど。

子役くんの演技もすごかった。母親をののしる息子に俺の息子の未来を見た気がしてしまった。
階段から落ちる息子を走って受け止めるのかと思いきや、ジョーの方へ体当たりするシーンも面白かった。息子のすごさを知ってるんだね。

ラスト前のあっけなさが・・・ブルースウィリスが子供を撃とうとしている、当然母親が身を挺する、その先の未来が垣間見える、やめろー!!バキューン・・・って指とかでよくない?トリガーひかせなければいいんだから。あ、でも義指や義椀をつけてしまう可能性もあるか…

いやでもライアンジョンソン脚本よかった。小道具も車についてるパイプなんかも世界観があって素敵である。
もし希望が通るなら、、今後監督はやめて脚本&制作に回ってほしい。

2022.4追記
ブルースウィリスとゴードンの似てなさは、朝ドラカムカムの上白石と森山良子の似てなさ具合に通ずる。