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LOOPER/ルーパーのマーチのレビュー・感想・評価

LOOPER/ルーパー(2012年製作の映画)
3.7
【下半期鑑賞映画寸評:2017】

《標的は、未来の自分。》

多種多様なジャンルをサンプリングミックスしているといった感じで、タイムトラベル系統の作品としてのSFっぽさも残しつつ、洗練されたガンアクションとマフィアの構図からはノワールの要素も感じ取れるし、後半なんて完全に往年ホラーの様相を呈していたのでかなり新感覚の作品でした。

ただそのジャンルミックスの豊かさを細部まで生かし切れていない感じがどうしてもあって、そこの勿体無さが悔やまれるほどサンプリングしてるジャンルがどれも個人的なツボを突いてくるので何となく嫌いになれないんですよね〜 笑
内容的に大した捻りは無いし、何なら自分が未来からやって来る以前のエピソードだけ切り取って掘り下げた方が近未来ギャングノワールっぽくて面白かったかもと思いはしたものの、設定が一々秀逸で、この作品を構成してる要素がかなり一級なので然程退屈せずに楽しめるとは思います。

割と編集のつなぎでタイムトリップさせているので多少そこがチープに感じられるものの、街の雰囲気とかは『ブレードランナー 』に影響を受けてるっぽいし、どことなく『死霊のはらわた』オマージュか(?)と思わせる描写もあったりして元ネタ探しに花が咲いたりもしました。

特殊能力を持つ子どもとか往年ホラーの貫禄を感じるし、案の定そいつが何かを引き起こす展開になっていたので多少ノスタルジックな色気も漂っていて、サンプリングの仕方が巧みだな〜と感じました。それに監督自身の色も感じられるので世界観的にはバッチリなんですけどね〜、もっとストーリーに深みがあれば…と感じられずにはいられません。ほんと惜しいし勿体無い。

「えっ!? ジョセフ整形したの?」もしくは「整形前のジョセフってこんな顔だったの?!」と思ったら特殊メイクで未来の自分役のブルース・ウィリスに似せてたんですね!ビックリした〜 笑
そのブルース・ウィリスが髪の毛を付けているシーンがあるのですが、思わず吹き出してしまいましたよ。笑 だってブルースに髪があるわけないですもんね? ブルースって産まれた時からスキンヘッドですよね?(←バカにし過ぎました、ごめんなさい🙇‍♂️🙇‍♀️)
あとエミリー・ブラントって何であんなに悲壮感漂う母親役がしっくりくるんでしょうかね。演技云々の話じゃなくて、もう“そのもの”なんですけど。笑 『ガール・オン・ザ・トレイン』然り。

『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』と今作を観て感じたのですが、ライアン・ジョンソン監督って薄っすらダークな雰囲気を忍ばせた作品を得意としていますよね。そのダークさが濃いわけではなく、あくまで作品に寄り添ったものとして鎮座しているのが好印象です。

てかポール・ダノはもう一捻りあるのかと思ったら一瞬やったな…


【p.s.】
下半期に突入しましたが、上半期鑑賞映画のレビューをまだ消化しきれていないため、下半期鑑賞映画も一部は寸評で投稿していきます。

いつもとは違い、極々短いレビューで投稿しています。暇があれば付け加える予定です。

従って、いつもの【映画情報】等もカットさせていただきます。

*詳しくは2017年7月3日に投稿している《『ローン・サバイバー』評》内の【p.s.】をご参照下さい。
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