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LOOPER/ルーパーのsaorinoのレビュー・感想・評価

LOOPER/ルーパー(2012年製作の映画)
3.4
畑に敷いたビニルシートにタイムリープされてくる男を秒で射殺する、という最初の絵が面白く、展開を期待しちゃったかな。

「自分を守るために未来からやってきたのに、過去の自分は未来の自分を殺す役目を背負っている」というアイデアはものすごい面白い。けれどSF色を強めるか、ヒューマンドラマ色を強めるか、未来と自分のどちらを主役にするかなど、何をストーリーのコアにするか、緩急がつけられてなかった印象。同じシーンを繰り返すところが出てくるんだけど、これが説明という役割しか果たしてないのがもったいない。

タイムリープものは、時差を使っていかに物語を深くしていくかが肝。もし「自分と対峙して自己理解を深めていく」をコアにするならば、『月に囚われた男』のように、誰もいない月という閉ざされた舞台で自己対話をしていく、くらいの狂気さがあったほうがストーリーは深くなっていく気がする。

「お互いの立場で自分の人生を測ろうとする」をコアにすれば、もっと深くなっていった気も。オチがはまらなかったのは、ここがブレてたからかも?自己中心的という人格ならば、自己中心的な選択をするはずだけど、あれ?と思ってしまった。うまくいけば、シリーズものにもできる構造なのでちょっと残念。
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