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シェフ!~三ツ星レストランの舞台裏へようこそ~のHKのレビュー・感想・評価

3.5
ダニエル・コーエンによるフランスの三ツ星レストランを舞台にしたコメディ映画。

似たような邦題の映画があるけど、こっちのが面白そう。というか、いろいろとまあ面白かった気がする。

ジャン・レノ演じるアレクサンドルは一流3つ星レストランのシェフである。職人気質であり自らの料理にこだわりがあるアレクは、味が落ちていながらも打開策が見つからず次の査定に落ちるかもしれないことを心配していた。そこに、天才的な料理の才能を持っていながらトラブルが耐えず職を転々とする男ジャッキーと邂逅し、こだわりの違いから衝突しながらも信頼と友情を深めていく。

この映画で、一番面白かったのは、フランス映画らしいウィットに効いたギャグ描写であるが、何よりも様々な料理文化を身に染みて感じることができて良かった。

劇中で伝統料理のライバル的存在として、スタ二スラスらが経営するアメリカ的なビジネス文化と、分子料理が登場するが、これがフランスで未だに伝統料理が重んじられているということを思い知らされる。

他にも、ギャグ描写などはフランスらしいウィットの利いたお上品で女性陣もコケティッシュなものが多く、アメリカのコメディ映画とはまた違ったものが見れて良かったと思う。料理番組開始前のいざこざから始まってからの切り替えとか真面目なやり取りからくる映画的な笑いとはこのことともいえる。侍と舞妓の仮装のシーンは笑った。

最後もジャッキーの成長物語として見ても、アレクサンドルとのバトンタッチとしてもしっかりと王道を行っていて良かったと思う。

あまりこのようなジャンル見ないぶん見れて良かったと思う。
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