イエメンの富豪から、砂漠の国イエメンで鮭釣りがしたい、という依頼を受けた、水産学者と富豪の代理人であるコンサルタントが、自身の複雑な事情を抱えながらも、無理難題に挑戦する物語。
砂漠で鮭釣りという難題が提示され、はじめはあまりの夢想っぷりに嫌々だった主人公たちが、依頼者である富豪が真に考えていたことを知るにつれて、やる気になり、ただの夢物語だったものがカタチになっていく様子はとても面白い。「なるほど、それならできそうだ」と思わせる部分もあり、実話をもとにした話では?と思わせる要素もありました。(実際はフィクション小説の映画化だそうです。)
ただ、メインストーリーである「砂漠で鮭釣りプロジェクト」とは別に、主人公とヒロインの恋愛ストーリーが進行するのですが、メインストーリーやテーマとあまり関わってないようにみえ、バランスが悪く思いました。「恋愛とかいいから鮭釣りプロジェクトの進行をもっと詳しくみたい」という印象です。いつの間にかダムが完成している、プロジェクト反対派の描写が少ない、などで、メインの話が浅くなってしまっているのがもったいない。恋愛映画が主である、ということなのかもしれないですが、いずれにしてもバランスがいいとは思えませんでした。
とはいえ、全体のストーリーは面白く、魅力的な要素も複数あり、実話だったらいいのに、と思わせるよい物語でした。