シネラー

アイアンマン3のシネラーのレビュー・感想・評価

アイアンマン3(2013年製作の映画)
4.0
フェイズ2へと突入した
MCU第7作であり、
アイアンマンの単独作としては、
3作目となる本作を再鑑賞。
劇場公開時にも鑑賞していたが、
アイアンマンというよりも
トニー・スタークの成長と魅力を
描写した三部作の完結編だと思う。

『アベンジャーズ』の戦い後、
そのPTSDからスーツ依存症に陥っていた
トニー・スタークの前に、
かつてトニーを拉致した
"テン・リングス"の首領マンダリンが
アメリカに宣戦布告し、
窮地に立たせられるアイアンマンの
戦いを描く内容となっている。
トニーのスーツに対しての捉え方や
ヒーローとしての成長が描かれており、
スーツが使用不可となりながらも、
中盤に出逢うハーレー少年との交流等を
通して、一皮剥けるトニーの活躍は
とても人間味があって良かった。
アクション自体も安定しており、
本作はトニーの生身アクションも豊富で
良かったと思う。
そんな中でも、
上空で人々を救出するアイアンマンは、
本作で一番好きな場面だった。
当然、終盤のアイアンマンによる
クリスマスパーティーも盛り上がる
見せ場に変わりはなかった。

しかし、マンダリンの正体をはじめとする
ヴィラン側の魅力のなさは大きな不満点だ。
真のヴィランであるキリアンの
動機に関しては、本当に薄弱と思えた。
個々のアイアンマンスーツの脆弱さ
も気になり、残念に感じる部分だった。
結末も駆け足気味で、気になる問題点を
あっさり片付けた印象があった。

アイアンマンとしてではない
トニー・スタークの人間ドラマという
主旨が強い為、
前作までのメカニック要素を期待すると
趣向の違いを感じやすい3作目だと思う。
しかしながら、
後のトニーの物語において一つの転機
とも言える作品ではあり、
本作の事が"ホームカミング"で
受け継がれていると思った。
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