アキラナウェイ

アイアンマン3のアキラナウェイのレビュー・感想・評価

アイアンマン3(2013年製作の映画)
3.4
【MARVEL補完計画】

365本チャレンジは今回お休み。
(今月はすこぶる順調です)

MCUとしては「アベンジャーズ」の続編にあたる本作。チタウリの猛攻を決死の思いで止め、NYを救ったトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr.)。名実共にヒーローとなった筈の彼だが、パニック障害に苛まれる様になってしまう。そんな最中でテロリスト組織「テン・リングス」とそのリーダー、マンダリン(ベン・キングズレー)と対峙する事に。

この作品、良くも悪くも、トニーがアイアンマンスーツを装着するシーンが少ない。

MCUという壮大なユニバースの中の1つとしてこの映画を評価するならば、スーツの力に頼らず、パニック障害というハンデを抱えながら戦うトニーの姿は、彼の成長を描くという意味で必要不可欠。「アベンジャーズ/エンドゲーム」の感動的なラストを迎えるにあたって、描かれるべきプロセスと言える。

しかし、「アイアンマン」シリーズ単体として観れば、些か不満も残る。リッチで横柄な彼の姿はもはやなく、パニック障害に怯える弱い男として描かれる。スーツの充電も切れてしまって、アイアンマンなのになかなかスーツを着ない!!何せズタボロなトニー。

それにしても若かりし頃のトニー、敵が多過ぎでしょ。
傲慢で鼻持ちならない態度で傷付けられた人がここにも。

1999年の大晦日、若き科学者アルドリッチ・キリアン(ガイ・ピアース)は、トニーに相手にされなかった屈辱から、彼への復讐を誓う。

肉体再生可能な不死身のソルジャーによるシリアスなドラマ展開、アイアンマン総動員の気前の良い花火で幕を閉じるフィナーレ等見所は確かにあるものの、最強のテロリストかと思われたマンダリンの正体には肩透かしを食らう。やはり作品単体としてのインパクトには欠ける。

前2作の監督ジョン・ファブローが「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」を撮りたいが為に、監督を降板してしまった事も要因の1つかな。

以下、恒例のMCUこぼれ話。
(この作品以降のネタバレ記述が含まれている場合があります。ご注意下さい)


●冒頭、1999年当時のロン毛ハッピーが見れただけでハッピー。

● テロリスト組織「テン・リングス」とそのリーダー「マンダリン」 については、1作目ではトニーを拉致し2作目では敵役のウィップラッシュを影から支援していたそうだが、そもそもシリーズを通じてこれ程影の薄い悪の組織も如何なものかと思う。

●「テン・リングス」と「マンダリン」については、MCUフェイズ4の「シャン・チー」とも絡んでくる様なので、要チェケラ。

●本作でのMVPとも言える、スーパー小学生ハーレーくん(タイ・シンプキンス)。トニーとは偶然の出会いでありながら、充電切れのJ.A.R.V.I.S.に代わるサポート役として活躍。「エンドゲーム」では、成長した姿がほんの一瞬映ります。

●上述のハーレーくんとトニーとのやり取りは、子ども嫌いのトニーならではのギクシャクしたものではあるが、これが後々ピーター・パーカーとの師弟関係や、やがて産まれる愛娘との愛情深いやり取りに繋がる大きな伏線。実に感慨深い!!

●キャプテン・アメリカ風の星条旗を模した塗装を施されたウォーマシン。その名も「アイアンパトリオット」に身を包むローディ(ドン・チードル)。因みにローディのPCのログインIDは「WarMafhine68(68は生まれ年?)」。パスワードは「WAR MACHINE ROX(ウォーマシン、サイコー)」。ローディが如何にウォーマシンを気に入っているのかがわかる。

●終盤、驚きの大活躍を見せるペッパー(グウィネス・パルトロウ)。「エンドゲーム」にて、専用スーツ「レスキュー」を纏い、ド派手に戦う姿に違和感を覚えていたが、本作を観て、彼女の芯の強さと身体能力の高さを垣間見て納得。覚悟を決めた女性は強い。

スーツもない。
何の後ろ盾もない。

それでも、ホームセンターで資材を集めて反撃に出るトニー。「アイアンマン」らしからぬトニーの生身の戦いこそが、本作の醍醐味。

MCUに限らず、ホームセンターでの買い物はテンション上がる!!