みりお

恋愛だけじゃダメかしら?のみりおのレビュー・感想・評価

恋愛だけじゃダメかしら?(2012年製作の映画)
3.3
「妊娠は魔法のような奇跡です。
妊婦の輝きは天使のキスで出来ています。」
これが一般的な、世間体のいい妊娠に対しての建前。
妊婦としてキッズ博で講演を任されたウェンディはこう言おうとした後、本音が爆発した。
「私だって妊婦として輝きたかった。
大きなお腹を幸せそうに微笑みながら見下ろしたマタニティフォトを撮りたかった。
でもあんなのウソ。妊娠は最悪。
人間を作るって本当に大変。
心も体も制御できない。」

これが本当のところなのかなと思う。
女性は誰だっていつだって綺麗でいたい。
体はもちろんだし、毎日心もピカピカにして、キラキラニコニコ過ごしたい。
でも子供を産むって自分の体が信じられないくらい変化することで、キャリアもストップすることで、負担も不安も計り知れないんだろう。
だけど現代社会は、産休育休を貰えるから働こう!という風潮が強し。
しかし「体が大変なら、ピーク時は休めていいから働いてね」でどうにかなることではない。
ウェンディだって、あんなに仕事に全力を注いで成功目前だったのに、ましてやほしくてほしくてたまらなかった子供を授かったのに、本音は上記の通り。
そんなウェンディの動画を見てあれだけの人が集まったのは、みんなの本音がそうだったということだろう。

であれば、子供を産むことを迷いながら仕事して、でも仕事したい、でもできるだけはやく産まなきゃなと思っている自分なんて、妊娠したらどう思うんだろうってすごく不安になった。
やっぱり"恋愛だけじゃダメかしら"と思ってしまうのが本音。

でも子供を産んだ後、我が子を腕に抱きながらみんなが交わす笑顔は、本当に幸せそうだったな。
幸せに円満に我が子を迎えた人も、時間がかかった人も、実の子でない人も、まだ夫婦でない人も、赤ちゃんを抱いた瞬間すごく素敵な笑顔を浮かべていた。
赤ちゃんがもたらす例えようのない幸福感。
それはどんな人のところにでも舞い降りる。
そして母親はこう言う。
「この子が私の輝き。私の完璧な幸福。」
とても印象的で、いまの私の悩みを少し軽くしてくれたような作品でした。
みりお

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