八咫

パフューム ある人殺しの物語の八咫のレビュー・感想・評価

3.6
ずっと観たかった作品。
類稀なる嗅覚を持つ男が人を殺して肌に動物の脂肪を塗り、それを抽出して集め香水を作るお話。
そもそも主人公が狙っていた女の子のお父さんもあそこまで、主人公が追ってくるという勘を持ち合わせて遠くへ逃げた癖に女の子の部屋の鍵を自分の鍵のかかっていない、むしろ開けっぱなしにしておいた部屋のチェストに置いておいたのは無防備すぎる。
正直、主人公の特殊能力は充分すぎるほど伝わってきたけど、主人公が処刑台にかけられる段階になって彼の完成させた香水で聴衆が薬を使ったようにおかしくなって乱交始めるとはびっくり。そこまでの要素あったか?
主人公がパリから移動する最中、自分が全くの無臭だと気づくシーンも、おそらく原作ではかなりのページを裂いて描写されているのだろうと予測するが、映像で描くことは難しかったのかなと想像する。
主人公はおかしなやつで、究極の香りを創りたい、という意志は分かるがそれ以外の彼の感情の部分は全く読めない。しかし自分が無臭であると気づき、イコール自分が世界から必要とされていないと悟るシーンでのみそれが分かる。そこから彼が処刑台から逃れ、香水を被り人に食べられるシーンは、その発露と死を魅せた。
主役の人がまた確かに美形なんだけどあの当時のパリの庶民以下の汚さやサイコパス?を見事に演じていたと感じる。

あと女の子の父親役、スネイプ先生だよね。初めて西洋人の顔当てられたわ(笑)

脚本 3
美術 4
演技 4
演出 4
チープ感のなさ 4
満足度 3
その他(音楽、カメラワーク)
八咫

八咫