140字プロレス鶴見辰吾ジラ

96時間 リベンジの140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

96時間 リベンジ(2012年製作の映画)
3.8
【冷静と憤怒の親父②】
~憎しみのイスタンブール~

「舐めてた相手が殺人マシーン」映画と「なろう系」アニメは、現実で燻っている我々の迷える魂の擬似爆発を為し得てくれる。そんな娯楽・快楽。

冒頭でお馴染みの娘への愛情のアプローチがカップに嫌われ、苦虫噛みつぶしハの字眉をキュートに見せるリーアム・ニーソン扮するブライアン・ミルズ。

今度は溺愛した娘と元妻とでイスタンブール旅行。そして忍び寄る前回感電死させた息子の復讐を誓う悪の軍団。

イスタンブールの迷宮のような路地を魅力的にスリルと追う追われるステージとして演出し、今度は父親と母親が誘拐されるというトリッキーな前半。

しかしながら本シリーズ魅力の冷静沈着な主人公は、目隠しをされても車の動作や周囲の音から監禁場所を探る。そして取り残された娘に我がスキルを指導し、今までになかった救出作戦を敢行。前回誘拐された娘の弱い立場から、徐々にブライアン・ミルズの遺伝子が組み込まれていく流れは単純に楽しいし、後半戦のホイッスル代わりの娘への地獄の路上教習×カーチェイスシーンは最高に楽しい。

クライマックスの父親と父親の対決は、復讐だろうが何だろうが、娘を危険な目に遭わせた者は殺す!という父親力53万のブライアン・ミルズのサイコ感も相まって見事な幕引き。娘さんをくださいと言える度胸のある男、募集中。