おいたん

クラウド アトラスのおいたんのレビュー・感想・評価

クラウド アトラス(2012年製作の映画)
4.5
人がその人生で最も自分の価値を見出せる瞬間。
人がその一生を終える時、自分の生きた価値や証しを残せたと感じることが出来る人。

言葉にすれば、簡単だが、一体どれだけの人がそう感じることが出来るんだろうか。

6つの時空と、いくつかの魂の繰り返しを通じて、非常に難解な話を丁寧にかつ観るどんな人にも当てはまるような角度で描いた秀作。

複数の時空と登場人物とが入り混じることで、頭を混乱させると思いきや、ビックリするくらい丁寧な伏線と人物の魅力でグイグイ引きつけてくれます。

傍若無人に今の自分の人生だけを貫く人。
悲しく儚い人生を色濃く誰かの為に生きる人。

人の人生はこの二つの人生の交差が繰り返される。
ただそれだけだが、一体どちらの為に生きたらいいだろうか。

人には誰にも制御出来ない欲が常に渦巻いている。
人生の小さな瞬間に、思いもしない人生さえ揺るがされるジャッジが、常に目の前にある。

そこで自分だったら。
あなただったら。
どちらを選ぶのか。

目の前にある自分の為?
まだ見えない、もしかしたら永遠に目にすることのない誰かの為?

一つの人生では、測り得ない、語り尽くせない人生が、6つの時空を取り巻くことで、何かが見えてくるはず。
6つの時空さえ越えても、答えや結果さえ出ないこともある。

それでも、誰かの為。
何かの為に、生きる一つの人生を大切にしたい。
そう思える素晴らしい映画です。

おいたんは、誰かの為に生きることが出来るんでしょうか…♪
おいたん

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